「帯祝い」について

お祝い

●「帯祝い」とは?

→妊娠5ヵ月目の最初の戌の日に、お腹に腹帯(岩田帯)を巻いて妊娠を祝い、出産の無事を祈るのが帯祝いです。この腹帯を岩田帯とも言いますが、これは岩のようにたくましく、元気な子供が生まれるようにとの願いからつけられたものです。

 妊娠5ヶ月目と言えば、安定期に入ってひと安心する頃です。

 お腹の中で元気に動く赤ちゃんの胎動を感じて、母親になる喜びをしみじみと実感できてくる頃なんですね。

 帯祝いには、ここまでくれば無事出産にこぎつけそうだという、お祝いの意味と安産の願いの両方が込められています。

●なぜ戌の日にお祝いする?

→犬は他の動物に比べお産が軽く、一度にたくさんの子どもを産むことにあやかり、日本では古くから犬を安産の守り神として崇めてきました。

 また、犬は悪霊を追い払い、子供を守るという話もあります。

 宮参りの際に祝いものとして犬をかたどった「犬張り子」が

 用いられるのも、魔よけの一種で、子どものお守りとしての意味があるとされています。

 そのため、昔から戌の日には、子宝に恵まれたことを感謝し、安産を祈願してきたのです。

 戌の日は干支の周期でやってくるので、12日に1日の割合、月に2、3回はあります。

 インターネットなどで調べてみるとすぐわかりますので、参考にしてください。

●腹帯のはじまりは?

→腹帯のはじまりは古く「古事記」が起源であるとの説が有力です。

 古事記によると、仲哀(ちゅうあい)天皇の皇后である神功(じんぐう)皇后が朝鮮半島征伐に

 出掛けた際に、お腹の中には後の天皇である応神(おうじん)天皇を身ごもっていたようです。

 その際、お腹の子を守るために、帯の中に石を挟み入れてお腹に巻きつけていたという記述があります。

 その後、皇后は無事に帰国し、出産することが出来たとも書かれています。

 古事記でのこの話が後に言い伝えられ、皇后が巻いた帯が、後の腹帯になっているといわれています。

●腹帯は誰が準備する?

→昔はお嫁さんの実家から、娘と孫の健康と安産を願い、腹帯を贈っていました。

 現在では、特に誰がという決まりはなく、

 どちらかのご両親が準備してくださったり、自分で買ったり、最近では産婦人科で用意してくれていたり、更に、神社などで安産祈願をお願いするとあらかじめ用意されている場合もあります。

 洗い替えなども必要ですので、何枚かあっても良いと思います。

●神社へ安産祈願に行く際の注意点

→まず、戌の日に安産祈願を!が理想ではありますが、安定期に入ったとはいえ、妊婦さんの体調優先で日にちを決めてください。

 また、お仕事や、一緒に行く人の予定などもありますよね。

 そもそも絶対に戌の日でなければいけないということではありませんので、体調や予定に合わせて行ってください。

 神社によっては予約が必要な場合や、安産祈願できる日が決まっている神社などもありますので、一度神社に確認をしておくのが間違いないと思います。

 それと、気になるのは神社へお支払いする初穂料の額ですね。

 基本的には「気持ち」なので、はっきりと金額が決まっているものではありませんが、一般的には5,000円~10,000円くらいかと思われます。

 神社によっては目安として金額を決めているところもありますので、素直に直接おうかがいしても大丈夫です。

 また、お詣りに行く際の服装ですが、特に正装までする必要はありません。

 とはいえ、やはり神聖な儀式ですので、裸足やサンダル履き、また露出が高い格好、派手な格好は避けましょう。

●腹帯はどんなもの?なぜ必要?

→一般的に「腹帯」というと、さらし布の帯のことを指します。

 腹帯は安産を祈願しお腹に巻くものですが、そればかりではなく、大切なお腹を守ってくれる役目があります。

 実際に腹帯を巻くことには、主に3つの効果があると考えられています。

 まず、お腹を冷えから守ってくれます。

 さらに、どんどん大きくなるお腹を支え、身体のバランスを取ったり、骨盤を支える効果もあります。

 そして、妊娠中は特に腰への負担が大きくなります。

 腹帯を巻くことで、腹圧(お腹の中から背骨を押し返す力)を高め、腰の反り返りを防ぎ、腰への負担軽減や腰痛の予防にもなります。

 いわゆるさらしなので、最初はどう巻いたらいいのか戸惑うかもしれませんが、現在では単純なさらしタイプ以外に、ガードルタイプ、コルセットタイプなど、いろいろな種類があります。

 一度、マタニティグッズが置いてあるお店などに行って、自分に合うものを探してみるのもいいと思います。

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