●地鎮祭とは?
→地鎮祭とは、家を建てる前に施工主と工事関係者が集まって、その土地の氏神様に工事中の安全と末永い家族の繁栄を祈る儀式です。
お供え物をし、神主さんにお願いをして祝詞をあげてお祓いをします。
そして、施工主がその土地に初めて、鍬(くわ)や鋤(すき)を入れます。
現在では、式の手配は建築を請け負う工務店などが主となって行うのが一般的になっています。
●日取りや参加者は?
→地鎮祭は吉日を選んで行なわれることが多いようです。
一般的には、大安、先勝、友引の日で、午前中に行います。
出席するのは、施工主、施工会社、工事関係者、神主さんです。
この辺りも工務店側が取りまとめてくれるケースが多くなっているので、ある程度お任せして大丈夫だと思います。
●上棟式とは?
→上棟式は、棟上げ式(むねあげしき)、建前(たてまえ)とも呼ばれ、家の骨組みが完成した際に行われる儀式です。
建築は無事に進んで棟上げできることを神様に感謝し、完成まで災いに見舞われないよう祈願する意味があります。
正式には地鎮祭と同様に神主さんを招いていたようですが、現在では棟梁が代理で執り行うことが多くなっていますね。
家の中心に幣串(へいぐし)という魔除けを立てて、お神酒や塩などを祭壇にお供えします。
そして、棟梁が米、塩、お神酒をまいてお清めをし、今後の工事の無事を祈り、参加者全員で乾杯をします。
また、工事関係者への労いの意味もあるため、お食事・お酒などを振る舞っていたのですが、最近では車で現場に通っている職人さんも多いため、お酒なしの宴席で食事をしたあとに、ご祝儀やお土産を包むという方法が増えているようです。
実際のところ最近では、地鎮祭は行っても、上棟式は行わないという方が多いと聞きますね。
●餅まき(投げ餅)の風習の由来は?
→昔は、上棟式でお餅やお金をまいたりする光景も
見かけたりしましたが、現在ではそこまで盛大にやることもなくなりましたね。
上棟式での餅まきは「散餅散銭(さんぺいさんせん)の儀」という災いを祓うための儀式の中で、餅と銭をまいた事がもとになっているようです。
昔は、家を建てることは大きな厄災を招くという考えがあり、
その厄を避けるために餅や小銭をまいて他人に持って帰ってもらったという説があります。
平安時代から鎌倉時代にかけて上棟式そのものの習慣が広まり、一般庶民も行うようになったのは江戸時代からだそうです。
●新居のお披露目について
→いよいよ新居が完成して引っ越しをしたら、だいたい1ヵ月くらいをめどに、新居のお披露目を親戚や友人などを招いて行いましょう。
この場合、大抵の方はその日にお祝いを持参してくださるのでそのことも考慮に入れて準備をしましょう。
本来は新居をお披露目し、祝宴をひらいてもてなすことがお返しになりますが、プラスで「新築内祝い」としてお返しを準備することもあります。
新居にご招待したら、まずはひととおり部屋を案内し、食事などでおもてなした後、帰り際などに内祝いをお返しするといいでしょう。
●お祝い・お返しについて
→新居のお披露目にご招待された場合は、お祝いを持参します。
新築のお祝いとしては、現金以外であれば、時計、傘立て、観葉植物といったインテリア関連で、好みを問わないシンプルなものがオススメです。
また、花瓶や食器、グラスセットなども人気があります。
ただ、インテリアなどは新居の雰囲気と合う・合わないがありますし、他の方のお祝いと重複してしまう可能性もあるので、実際は本人に直接おうかがいするのが間違いありませんね。
ちなみにお祝いを渡す場合、熨斗の表書きは、一戸建てでもマンションでも新築であれば「御新築御祝」、中古住宅・マンションの場合は「御引越御祝」「御新居御祝」など。
詳細がわからなければ単純に「御祝」としても大丈夫です。
お祝いの品・お返しの品、どちらの場合でも、火に関するもの(火を連想させるもの)は避けたほうが良いとされています。灰皿やライター、キャンドルや暖房器具など。
逆に「火に強い」という意味で、やかんや鍋などの金物を準備するという風習もあるようです。