●一般的なお盆の過ごし方

→お盆は、先祖の霊がこの世に帰ってくる日とされています。お盆の期間は一般的に8/13~8/16とされ、お盆の始まる13日には、先祖の霊が迷わず家に帰ってこられるよう、松の割り木などを戸口で焚いて迎え火をします。
そこからお墓参りをしてご先祖様を迎えにいき、また16日にお墓まで送りに行く、という場合もありますね。
迎え火や送り火のタイミングでなくても、お墓がある場合には、このお盆期間中にお墓参りをしましょう。
お盆の間は先祖の霊がこの世に戻ってきているので、灯明を絶やさないようにし、毎日、水や食べ物のお供えをします。
お盆の終わる16日には、送り火をして故人の霊を見送ります。
また、新盆と言って、忌明け後に初めてお盆を迎える仏様がいる場合は、普段のお盆よりも丁寧に供養をします。
新盆については、また来週お話しします。
●お盆期間中にお墓参りするのは意味がない?
→お盆の期間中は、ご先祖様は自宅に戻ってきているので、お盆の真ん中にお墓参りをしても意味がないのでは?と考える方もいらっしゃるようです。でも、決してそういう訳ではないそうです。
これはあるお坊さんに聞いた話ではあるのですが、お墓にご先祖様が宿っているのかというとそうではなく、お墓は仏教の悟りの世界を象徴的に表した物であり、それをお参りすることは仏様を拝むことと同じだそうです。
だから別にお墓参りに吉日などはなく、いつ行ってもいいとのことでした。
ただ、日々の生活に追われて仏様への感謝を忘れがちになるから、それを思い出すためにも特別な日が決まっていったという話です。
そう考えると、「この日に行っても無意味」だなんて本末転倒ですよね。
また、ご先祖様が家に帰っている間に、お墓をきれいに掃除しておくという考え方もあるようです。
●キュウリとナスの飾りは何を意味する?

→地域・宗派にもよりますが、お盆飾りにキュウリとナスを飾りますね。
これは精霊馬(しょうりょううま)と言い、ご先祖様をお迎えしたり、お送りしたりする乗り物として用意します。
キュウリを馬、ナスを牛に見立てています。
お迎えの時は、少しでも早く来られるようにキュウリの馬、お送りの時は、ゆっくりとお帰りいただくように、またお供え物を持ち帰ってもらうようにナスの牛にお乗せします。
「なぜ、キュウリとナスなのか」という疑問もありますが、お盆はの時期の代表的な作物であるから、と言われています。
また、キュウリやナスではなく、真菰(まこも)という草で牛や馬の精霊馬を作る地域もあります。また、精霊馬には、飾る向きがあります。
ご先祖様が、迎え火のときは、キュウリの馬に乗っていらっしゃり、送り火のときは、ナスの牛に乗ってお帰りになる、ということからも大体想像はつくかと思いますが、迎え火の時は、お仏壇の方に頭を向け、送り火の時は、外に向かって頭を向けます。ちなみに、ヘタが頭になります。
送り火も終わり、無事にお盆が終わったら、精霊馬を処分します。
昔は川や海に流したり、他のお飾りと一緒に焼いていましたが、今はそうも行きませんので、処分に困る方も多いようです。
お寺でお焚き上げをしているなら、他のお飾りと一緒にお願いしても良いですが、わざわざお寺さんに頼まなくても大丈夫です。
お庭があるかたは、土のものですので、土に帰る、ということで、埋めて土に戻します。
土がない、ということでしたら、半紙やキッチンペーパーなどの白い紙に包み、塩でお清めをしてからゴミに出します。
もったいないからと食べてはいけません。
●盆踊りの由来は?

→盆踊りの起源は、平安時代中期と言われています。
念仏を広める方法を考えていたある僧侶が、手持ちの瓢箪(ひょうたん)を叩きながらメロディーに合わせて念仏を唱え、人々に念仏を覚えてもらう工夫をしました。
また、その際に念仏に合わせて踊りを踊るようになり、これが念仏踊りとして世の中に周知されるようになっていったのです。
さらに、この念仏踊りは、先祖を迎い入れ供養するお盆と結びつき、「盆踊り」となったと言われています。
鎌倉時代になると、全国へと盆踊りが広まりはじめましたが、この頃には仏教行事の意味合いよりも、娯楽的な要素を色濃くしていったようです。
そして江戸時代に入ると、盆踊りは地域の人々の交流の場や男女の出会いの場になっていきます。それが現代まで受け継がれているんですね。