羽子板・破魔弓(はまゆみ)を初正月に飾るのはなぜ?いつまで飾っていいの?

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羽子板・破魔弓(はまゆみ)を初正月に飾るのはなぜ?

羽子板・破魔弓(はまゆみ)を徹底解説!
羽子板・破魔弓はいつ飾るの?いつまで飾ってもいいの?地域ごとに違いがある?など、ギフト専門店のアドバイザーが疑問にお答えします。

赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月(初正月)に飾ります

初正月とは、赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月のことです。古い時代は栄養や衛生管理が行き届いておらず医学も未発達だったため、子供が無事に成人するのは大変な事でした。親たちは生まれた子供が病気にかからないよう無事な成長を願って、初めて迎える正月は盛大にお祝いしたようです。また、昔はお正月に歳を重ねる数え年で年齢を数えていたので、今で言う初めてのお誕生日を盛大にお祝いしていました。

女の子なら「羽子板」、男の子なら「破魔弓」を飾ります

羽子板

羽子板の起源は、宮中で行われた毬杖(ぎっちょう)という、毬(まり)を杖(つえ)で打ち合う遊びが起源だと言われています。羽子板のことを「胡鬼板」(こぎいた)、羽子板で突く羽のことを「胡鬼子」(こきのこ)とも言い、トンボに似せて作られました。昔は、蚊を通して病気がうつると認識されていたので、蚊を食べるトンボに似せた羽子板が魔よけのおまじないになっていたようです。また、羽子板遊びでつく羽の、黒くて堅い玉は「無患子(むくろじ)」といい、「子が患わ無い」とも読めるため、無病息災のお守りという意味があります。「災いを羽根(跳ね)のける」ためのおまじないというわけですね。

羽子板の選びかた

① お顔立ち

羽子板を選ぶ際に一番意識していただきたいのは、お人形の「お顔」です。切れ長の目で綺麗なお顔立ちもあれば、ぱっちりとした目の可愛らしい印象のお顔もあります。綺麗な子に育って欲しい、可愛い子に育って欲しいなど、願いを込めて選んでみてください。

② 着物の生地・柄

女性の着ている着物の生地や柄、お花の飾り物、毬の模様にこだわってみるのも良いでしょう。友禅織の着物を着た高級感のあるものや、つまみ細工の髪飾りをあしらった華やかなものも人気です。また、扇の柄は「末広がり」、ウサギの柄は「子孫繫栄」、鶴と亀の柄には「長寿」の意味があり、このような縁起の良い柄を使用した着物もございます。素材や柄にこだわって選ぶと、より一層お気に入りの羽子板飾りになるでしょう。

③ アクリルケースとガラスケース

最近の羽子板飾りは置き型のケース飾りが一般的なようです。アクリルケースタイプは、軽くて割れにくいため、扱いやすいというメリットがあります。一方ガラスケースのタイプは、重厚感・高級感があり、細かい傷も付きにくいため羽子板が綺麗に見えます。アクリルケース・ガラスケースどちらにしても良いところがありますので、お好みの方をお選びください。また、「額飾り」という壁にかけて飾れるタイプもあります。飾るスペースを最小限に抑えたいという方におすすめです。

④ お顔の向き

羽子板のお顔には右向きと、左向きがあります。お顔の向きに決まりはありませんので、どちらを向いていても構いません。迷うようならお家の中心や大黒柱を向くように飾ってあげると良いと思います。また、姉妹が生まれた場合にはお姉ちゃんの羽子板と向き合うように、妹さんの羽子板を飾るお家が多いようです。

破魔弓

破魔弓には「魔を打ち破る」という意味があり、魔除けや厄払いのお守りです。その昔、男児が正月に弓矢で的を射てその年の運勢を占ったのが破魔矢の起源と言われています。男の子が健やかで力強く成長するように願いを込めて飾ります。

破魔弓の選びかた

① ケースの素材・デザイン

ケースのデザインは、洋室のお部屋にも飾りやすい木目調や、重厚感のある黒塗りのタイプなどさまざまです。木材にも自然の風合いが味わえる桧(ひのき)や、家具と相性の良いタモ材など様々な種類があります。また、前側の柱のないパノラマタイプはどの角度からでも破魔矢が綺麗に見えます。飾る場所に合わせてデザインを選んでみてください。

② 矢の形

矢尻の形には「征矢(そや)」と「鏑矢(かぶらや)」の二種類があります。征矢は先のとがった矢のことで、相手に一撃でダメージを与えることができるため、魔を瞬時に射抜く矢とされています。一方の鏑矢は先の丸まった矢で、飛びながら音を出すことで戦いのときに向かう方向を示し、仲間を誘導するために使われました。このことから生きる道筋を示す矢とされています。

③ 矢・羽根・弓・弦巻(つるまき)の素材

破魔弓の素材には天然の素材を使っているものと、プラスチックやビニールでできたのもがあります。たとえは、国鳥のキジホロやガチョウのなど本物の鳥の羽を使った矢は、色合いや光沢に高級感があり、耐久性の面でも優れているのでおすすめです。また、弓に巻いてある弦巻(つるまき)に籐(とう)を使っているものや、弓や矢が木製のものは、飾ったときに重厚感があり趣を感じられます。

④ 弓と矢以外の飾り

破魔弓飾りの中には、弓と矢以外にも「太刀」や「打ち出の小槌」などをあしらったものもあります。魔物は光物を嫌うと言われていることから、太刀には護身具の意味があります。また、願い事を唱えながら振ると様々なものが出てくるとされる打ち出の小槌は、一生物に困らないようにという願いが込められています。

⑤ アクリルケースとガラスケース

最近の破魔弓は置き型のケース飾りが一般的なようです。アクリルケースのタイプは、軽くて割れにくいため、扱いやすいというメリットがあります。一方ガラスケースのタイプは、重厚感・高級感があり、細かい傷も付きにくいため破魔弓が綺麗に見えます。また、「額飾り」という壁にかけて飾れるタイプもあります。飾るスペースを最小限に抑えたいという方におすすめです。

12月の中旬頃から、翌年の小正月(1月15日くらい)まで飾りましょう

飾る日は、12月中旬の大安の日を選ぶと良いでしょう。遅くとも12月28日頃までには出してください。羽子板・破魔弓やお正月飾りを、12月31日に飾るのは「一夜飾り」と言われて縁起が良くないとされていますので、直前に飾るのは避けたいものですね。片づける日は、小正月の1月15日を目安にする家庭が多いようです。湿気で飾りが傷まないように、晴れて乾燥している日を選ぶと良いでしょう。また、羽子板や破魔弓は魔除けの飾り物ですので一年中飾っても大丈夫です。桃の節句や端午の節句の時に、雛人形や五月人形と一緒に飾ってあげるのも良いでしょう。

昔はお嫁さんの実家が用意する風習がありました

昔は、羽子板・破魔弓は「嫁入り道具」として、お嫁さんの実家が用意するのが一般的でした。しかし、最近では嫁入り道具をもって嫁ぐことも少なくなったため、両家でお金を出し合ってかわいいお孫さんに贈りたいということも多いようです。両家のご両親と事前に相談しておくと安心かもしれません。また、地域や風習によっては飾らない家もあるようなので、本当に必要なの?いらないのでは?と思っている方は一度ご両親に確認してみると良いでしょう。

お下がりは避けて、赤ちゃんひとりずつに用意しましょう

羽子板や破魔弓は、生まれた赤ちゃんに降りかかる災難の身代わりとなってくれるとも言われています。お下がりでもらってしまうと、元の持ち主の災難までもらうことになってしまいますので、赤ちゃんひとりに一つずつ新しいものを用意してあげましょう。

初正月のお返しは必要ないとされています

一般的にご両親から羽子板や破魔弓を頂いた場合は、内祝は必要ありません。一緒に初正月のお祝いをしたり、飾った様子の写真を送ってあげたりして、感謝の気持ちを伝えましょう。もし親戚などから初正月のお祝いを頂いてお礼をしたい場合には、蝶結びの水引の熨斗(のし)に「内祝」と「赤ちゃんのお名前」を書いてお返しします。

初正月のお祝いは地域によって様々です

たとえは、福島県の郡山市、田村市周辺では、初正月に掛け軸を贈る習慣があります。女の子には、紫式部や清少納言などの美人画、男の子には騎馬武者の絵が代表的です。また、会津地方では男の子に「会津天神」といわれる、張り子の人形を贈る習慣があります。会津天神は、学問の神様として名高い藤原道真公を祀ったもので、頭の良い子に育つようにとの願いが込められています。地域によって、様々な風習がありますので、不安な場合は一度ご両親に確認してみると良いでしょう。

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