●成人式の由来
→昔、数え年で15歳になった男子は、髪型や衣服を改めて成人の証とする「元服式」を行っていました。
元服は人生の四大儀式「冠婚葬祭」の「冠」にあたる重要な儀式で、成人式はこの元服式が由来となっています。
女性の場合、元服はありませんでしたが、それとは別の「裳着(もぎ)」と呼ばれる通過儀礼がありました。
この通過儀礼を過ぎると、当時の女性は子供から大人になったとみなされ、結婚する事もできるようになりました。
当初、成人の日は1月15日とされていました。
この1月15日という日付が成人の日とされた理由としては、小正月が1月15日にあたるから、とか昔、元服をしていたのが15歳だったから、その数字に由来して、などと諸説あります。
現在の成人の日はハッピーマンデー制度に基づき、1月の第2月曜日になっています。
その年度内に20歳を迎えた、もしくは迎える人を新成人として、自治体などの主催で、各地でお祝い行事が行われていますね。
●初めての成人式
→実は二十歳が成人という考え方は意外にも歴史が浅く、第二次世界大戦が終わった直後の1946年から成人式が行われるようになっています。
その年、埼玉県の蕨市(わらびし)で日本で始めての成人式が行われました。
戦後の厳しい社会情勢の中で、将来を担う若者たちを激励しようということで当時の蕨町が青年祭を企画し、「成年式」と呼びました。
これが非常に好評で、全国的に普及させようと言う運動が起こり、成人の日が制定されたようです。
●成人式の開催が夏にある地域
→一般的に成人式というと、成人の日のイメージもあり、冬の時期に開催されることが多いですよね。
でも最近では、夏のお盆の時期や、春のGWなどに行われる地域も増えてきたようです。
夏の成人式として有名なのは、青森、秋田、岩手、長野、島根など。
あとは、北海道、東北地方、山陰地方などに多くみられるようですね。
福島県内でも、会津地方の下郷町など一部で夏の成人式が行われています。
この夏の成人式が行われる理由としては、主に豪雪地帯などで雪による影響を避けるためということが多いです。
雪によって交通機関がマヒしたり、晴れ着を着て雪の中を歩くのが難しかったりするため、自治体が配慮して夏に行っているようですね。
また、ゴールデンウィーク中に成人式を開催する地方自治体というのも増えています。
これは、正月に帰省し、そのあとまた成人式に帰省するというのは新成人にとって負担であるため、長期休暇中であるゴールデンウィークに成人式を開催しようという新成人への配慮があるそうです。
いずれにしても、せっかくの一生に一度の成人式ですので、新成人としてのご自身の節目、ご両親の子育てへの節目として、出来る限り成人式に参加したいものですね。
●成人式ではなぜ振袖?
→昔、振袖には恋愛のサインが隠されていたようです。
女性から思いを伝えることがタブーとされていた時代、この袖を振ることで感情を表現していたとされています。
現在でも恋愛関係で「振る」「振られる」という言葉が使われるのはここに由来しています。
こうして若い女性は良縁を願って袖を振るようになり、その効果を高めるためにどんどん袖が長くなったと考えられています。
そして、既婚の女性は袖を振る必要がないため、振袖の袖を短く詰めて留袖として着用していました。
また、振り袖には「長い袖で厄を振り払う」という意味もあります。
19歳は女性の厄年であり、さまざまな災難や病気などから身を守るための厄払いの意味もこめられています。
●成人のお祝いをいただいたら
→成人祝いは身内のお祝いなので、基本的にはお返しは不要とされています。
ただし、お祝いをいただいた場合は、大人の仲間入りとして、本人が必ずお礼の電話か手紙などでお礼の気持ちを伝えましょう。
何かしらお返ししたい場合は、自分の名前でのしを付けてちょっとしたものをお返ししてもいいですね。
一般的にお返しは半返しと言われていますが、現在の20歳はまだ学生のことも多いですので、半返しにこだわらずに、気持ちだけでよいと思います。