●節分とは?
→節分とは、そもそも季節の変わり目という意味で、本来は年4回(立春・立夏・立秋・立冬の各前日)あります。
ただ、現在では旧暦のお正月にあたる立春の前日だけが残りました。
節分には豆まきをしたり、最近では縁起のいい方角を向いて、太巻き寿司を食べるという関西のほうの習慣である「恵方巻き」も全国的に広まりつつありますね。
●豆まきの由来は?

→立春を1年のはじまりである新年と考えると、節分は大みそかにあたりますね。
平安時代の宮中では、大みそかに旧年の厄や災難を祓い清める「追儺(ついな)」という行事が行われていました。
これが、災いを鬼に見立てて追い払う現在の豆まきの由来とされています。
豆まきは、一家の主、もしくは年男や厄年の男性などが行います。
鬼が入ってこないように、「鬼は外」と言って外に向かってまき、福が入ってくるように、「福は内」と言って家の内側にまくのが一般的。
ただ、現在では季節の行事としてお子様と一緒に、家族みんなで行われていますね。
●豆まきの使う豆について
→豆まきの豆は、一般的には大豆が用いられますが、炒り豆でなくてはいけません。
これは、生の豆を使って拾い忘れた場合、そこから目が出てしまうと縁起が悪いとされているからです。
ちなみに、豆まきには「落花生」という方も多いと思います。
実は、北海道・東北・信越地方では落花生派が8割を占め、それより南では大豆派が多いようです。
本来は大豆が正しいのですが、落花生派の意見では、
「何より片付けも簡単」「そのまま拾って食べられる」などとても合理的ですね。
●食べる豆の数はいくつ?

→これは、地域や家庭によっても多少バラつきがあります。
年の数だけ、もしくは年の数プラス1とも言われていますね。
まず、豆を食べることの意味ですが、「年の数だけ豆を食べることで、年齢と同じ数だけ福を身体に取り入れる」ということです。
1つ多く食べるというのは「来年も健康でありますように」の願いが込められていると言います。
しかし、昔と今とのいろいろな違いが混乱を招いています。
まず、年齢の数え方が違います。
昔は数え年なので、お正月に年を重ねます。
今の年齢で数えるとプラス1歳になります。
ただし、昔のお正月は先ほど話した通り、立春です。
今の節分は年が明けているから、来年の分のプラス1個はいらないんじゃ?
…と、どんどんややこしくなりますね。
昔と今では様々な違いがあるので、何が正解とは言えないのが正直なところです。
また、厄年の人がひとつ多く食べることによって、厄に対して年齢を誤魔化して災いを遠ざけるため、などという話もあります。
●節分の各地の風習
→①群馬県の鬼石地域の豆まき
豆まきをする時の掛け声も、実は地域によってさまざまなようです。
群馬県の鬼石(おにし)地域では、「福は内、鬼も内」とあえて鬼を招き入れる掛け声をするそうです。
鬼が投げた石でできた町、との由縁があるこの地域では、悪い鬼ばかりではなく良い鬼もいるといわれているみたいですね。
②ひいらぎいわしの飾り
この辺りではあまり見かけませんが、主に関西のほうに見られる風習として、節分の時、玄関先に『ひいらぎいわし』と言って、柊と鰯の頭で作ったお飾りを飾ります。
これは、邪気除けとして邪悪な鬼を追い払うものとして玄関先に飾られます。
ひいらぎいわしは、柊の葉の棘が鬼の目を刺すということから鬼が門口から入れず、鰯を焼くときの臭いと煙とで鬼が近寄れないので、玄関先に飾って鬼を追い払うとされているものです。