●初正月とは?
→初正月とはお子様が生まれて初めて迎えるお正月のことです。
年末になると厄除けとして、男の子には破魔弓を女の子には羽子板を贈ってお祝いする風習が江戸時代からありました。
医療においても、栄養面・衛生面でも未発達だった昔は、生まれる子どもが無事成人するのは大変な事だったため、親たちは子どもが病気にかからないよう、無事な成長を願い、初めて迎えるお正月を盛大にお祝いしたようです。
●なぜ羽子板・破魔弓を飾るの?
▼羽子板
昔は、蚊を通して病気がうつると認識されていたようで、羽子板の羽が飛ぶ様子が「トンボ」に似ていて、 トンボが蚊を食べることから、子供が蚊に刺されないようにという
魔よけのおまじないとして、正月に羽根突きを行っていました。
また、羽子板遊びでつく羽の黒くて堅い玉は「無患子(むくろじ)」といい、「子が患わ無い」とも読めるため、無病息災のお守りという意味があります。
▼破魔弓
昔は、弓の的のことを「ハマ」と言っていたようで、そこへ今の「魔を破る」という漢字があてられました。
そして、お正月に男の子が弓矢で的を射て年占いすると言う古来からの行事とも繋がり、後に破魔弓という形になったようです。
生まれた男の子が立派に出世すること、 そして魔除けのおまもりとして破魔弓を贈ります。
●いつからいつまで飾る?
→12月の中旬頃から遅くても12月28日頃までには出して、翌年の小正月(15日くらい)まで飾っていただくのが一般的です。
いわゆる正月飾りと一緒で12月31日に飾るのは避けてください。
また、お正月だけでなく、桃の節句や端午の節句の時に、雛人形や五月人形と一緒に飾ってあげるといいと思います。
●誰が用意するもの?
→一般的に昔から、お嫁さんの実家で用意すると言われます。ただ、最近では両家でお金を出し合ってかわいいお孫さんに贈りたいということも多いですね。
●初正月に「お祝い掛け軸」(郡山市・田村市付近)
→福島県の中通り(郡山・田村市近辺)などでは、初正月に親戚や近所の方々がお祝いとして掛け軸を贈る風習があります。
女の子には紫式部や清少納言などの美人画、男の子には騎馬武者の画が代表的なものです。
初正月には部屋いっぱいに掛け軸が並ぶこともあるようです