知っておきたい!のしの種類と使い分け

お祝い

贈り物をするときには熨斗(のし)を付けるのが一般的ですが、のしの種類や付け方などよく分からない…ということもあるかと思います。今回はそんなのしの付け方やマナーについて解説していきます!

そもそものしって?

「のし」というと贈答品によく付けられている紙を想像するかと思いますが、あの紙は正確には「のし」とはちょっと違うものなのです。元々のしとはあわびを薄く伸ばして干した「熨斗鮑(のしあわび)」のこと生ものの象徴でした。昔は神仏へ生ものをお供えすると縁起が良いとされていたため、生もの以外をお供えするときはのしあわびを付けて生ものをお供えしたということにしたそうです。

贈り物=お供えものだったことから、現代にも贈答品にはのしを付けるという習慣が根付いています。しかし本物の熨斗鮑を付けるわけにいかないため今では簡略化されて、私たちの見慣れた「のし紙」を使用することが一般的になりました。のし紙の右上についている飾りが「のし」で、真ん中の飾りひもは「水引」です。のし紙はこの水引の結び方によって意味が変わるのでお使い物の内容に合わせて使用します。

水引の種類と使い分け

水引の結び方にはいくつか種類がありますが、その結び方には意味がありお使い物の内容によって使い分けをします。

蝶結び(花結び):何度も結び直しが出来ることから、何度あっても良いお祝い事で使用します。(結婚以外のお祝い事全般、御礼や挨拶など)

結びきり:一度結んだらほどけない結び方であることから「結び直せない=繰り返さない」という意味合いとして、繰り返さない方が良い贈答品に使用します。また、結び切りは色や本数によっても意味合いが異なります。                                     

紅白5本結びきり:水引の本数は5本が一般的な本数とされていて、5本の結び切りは入院や火事、災害の際に贈るお見舞いやお見舞いをもらったお礼の快気祝いなどで使用します。

紅白10本結びきり:婚礼の贈答品の際に使用します。水引の本数が10本なのは両家5本ずつ二重に結ぶという意味合いで「両家が互いに手を結びあっている」ことを表しています。

-黒白5本結び切り:黒白の結び切りは弔事のときにのみ使用します。詳しくは次にご紹介します。

弔事の時はどうするの?

-不祝儀用の掛け紙を付ける

弔事の際は「四つ足生臭もの=生もの」を贈るのはタブーであり生ものの象徴であるのしは付けません。そのため弔事ではのしの飾りが印刷されていない掛け紙をつけます。不祝儀用の掛け紙は一般的に黒白の結び切りの水引が印刷されており、正確にはのしではありませんが一般的に「黒のし」と呼ばれることが多いです。不祝儀用の掛け紙もいくつか種類があり、以下のように使い分けます。

蓮あり黒白結び切り:蓮の花があるものは「仏教」でのみ使用します。

蓮なし黒白結び切り:宗教関係なく弔事全般に使用できます。

黄水引:主に関西地方で使用されます。

外のしと内のしって?

のしをかけるときに「外のし」と「内のし」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。これは文字通り包装の外側にのしをかけるのが「外のし」包装の内側にのしをかけるのが「内のし」です。それぞれ以下のように使い分けます。

〈外のし〉

外のしはひと目で贈り物の目的と贈り主が分かるため、結婚祝いや出産祝いなどの御祝いを贈る時に用いることが多いです。同じ時期にいろんな方から頂く中元歳暮や、引越しのご挨拶、ビジネスシーンでも外のしが用いられます。

〈内のし〉

内のしはひと目では贈り物の目的と贈り主が分からないため、控えめに感謝の気持ちを伝えたい内祝いで用いることが多いです。内祝いとはもともと「自分に祝い事があったのでお裾分けをする」という意味合いをもっていたことから控えめに表現されることが多いです。地域によっては内祝いでも外のしを用いる場合もあります。

のしの書き方

のしの上の部分は「表書き」と呼ばれており、「御祝」や「内祝」のような贈り物の目的を書き入れいます。下の部分には贈り主の名前を名字だけ、もしくはフルネームで書き入れます。手書きで書く場合はボールペンや万年筆ではなく、筆ペンを使用しましょう。百貨店や専門店でのしを付けてもらう場合はサービスで書いてもらえることが多いです。

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